大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第二小法廷 昭和47(あ)2638 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人平野利、同瀧澤國雄、同芹澤博志、同三羽正人連名の上告趣意は、量刑不

当、犯情の基礎となるべき事実関係に関する事実誤認の主張であつて、刑訴法四〇

五条の上告理由にあたらない(なお、本件は働く能力があるのに無為徒食中の被告

人が安易に大金を獲得しようとしたことから始まつたものであつて、被告人は共犯

者らを誘い込み、これらとともに被害者を殺害し金員を強取した上、遺体を発見困

難な山中に隠すことを共謀し、予め遺体を遺棄する穴を掘るなど周到な犯跡隠蔽の

準備のもとに、被告人を信用していた被害者に虚構の事実を申し向け、大金を持た

せて誘い出し、共犯者とともにこれを殺害したものであつて、犯行の動機、計画性、

犯行の態様、犯行後の行状、被害者遺族に与えた打撃、犯行の社会的影響の重大性、

被告人の前科歴などを考えると、被告人と被害者とのかつてのいきさつ、被告人が

現在深く悔悟して公害防止装置等の考案に励んでいることなど被告人に有利な事情

をすべて参酌しても、被告人の責任はまことに重いものといわなければならず、原

判決がこれら諸般の事情を慎重に考慮して被告人を死刑に処した第一審判決を維持

したのはやむをえないものというべきである。)。

よつて、刑訴法四一四条、三九六条により、裁判官全員一致の意見で、主文のと

おり判決する。

検察官住吉君彦 公判出席

昭和四九年一二月二〇日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 吉 田 豊

裁判官 岡 原 昌 男

- 1 -

裁判官 小 川 信 雄

裁判官 大 塚 喜 一 郎

- 2 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!